2024年07月20日
父母ケ浜は何故きれいなのか?
三豊市仁尾町の父母ケ浜(ちちぶがはま)、「日本のウユニ塩湖」と言われ、近年有名になり観光客も増えましたが、なぜ鏡のような水面ができるか?
僕もハッキリ知らなかったが、小冊子を見て なるほど・・・。
(小冊子、「父母ケ浜 環境学習book」)
香川大学、長谷川先生の説明によると、仁尾湾は大蔦、小蔦、2つの島とつながる大きな干潟で、入浜式塩田として利用されたが、1970年代に埋め立てられた。
しかし、南部の父母ケ浜は埋め立てから免れました。
この点は後で紹介しますが、ここの地形に特徴があり、砂浜海岸でなく干潟海岸であるから鏡のような水面ができる。
遠浅の海岸で、海底砂州が破波帯(天然の消波帯)となって干潮時に峰と谷が交互にできる。
谷の部分に水が溜まり鏡のような水面となる。
砂州の所に人が立つと手前の水面に影が映る。
夕日をバックにするとシルエットのようできれいに見えるってわけ。
(写真は小冊子より)
また、夕凪が顕著におきるのは大蔦、小蔦、2つの島の影響が大きい様である。
ちょうどいい場所に島があるって事かな。
そして、父母ケ浜が埋め立てから免れたのは、地元住民が環境保全活動をしたから。
1994年頃、浜を埋め立て工場誘致の構想が浮上し、大規模なものであったが、地元住民7名が「ちちぶの会」を立ち上げ(1995年)清掃活動などを行った。
住民の想いはますます高まり、行政も埋め立て計画を中止。
浜の環境は守られた。
その後も清掃活動は続けられ、現在に至っている。
(今も毎月1回、第一日曜日に行われている)
その会員の一人、速雄さんは25年以上、暑い夏も寒い冬も、雨の日も風の日もほぼ毎日、清掃や観光客の案内などをしていたそうだ。 (故人となられました)
「スゴイね」
この浜には絶景だけでなく、多くの海浜植物、貝類、甲殻類、昆虫、鳥など動植物が息づいている。
稚魚が育つ漁場になり、マテ貝掘りも出来、潮だまりで生き物観察も・・・。
子供連れの家族も楽しめそうだ。
次世代にこの美しい自然を守りつなげたい。
会員たちの想いが伝わってくる。
小冊子ではあるが、この本には熱意が詰まっているように感じたよ。
なお、発行は三豊市観光交流局(JR詫間駅横)
tel 0875-56-5880
興味のある方は問い合わせてくださいな。
この浜を有名にしたのがこの写真、ネットで広がり現在の観光地となった。
追記
父母ケ浜は 「観光開発部門賞」 を受賞しました。
Posted by 風(ふう) at 16:43│Comments(0)
│本